弊社はビルやアパート、マンションなどの原状回復工事だけでなく、不動産投資コンサルティングを行っています。
その関係で10年以上にわたって不動産価格の変化を見続けてきました。

正直今の投資用の不動産価格は全体的に割高です。
物件価格の高さに家賃が追い付いてきてくれていれば問題はないのですが
物件価格の上昇スピードに家賃が追い付いてこれません。
つまり、日本国内だけを見たときに日本全体の物やサービスの上昇(インフレ)スピードよりも
投資用不動産価格の方が上昇スピードが高くなってしまっていることを示します。
そもそも既に入居者さんがいる状態では、家賃というものは入居者さんとの契約期間があったり、家賃が高くなるということに簡単に承諾してくれないというハードルがありますので、簡単には上がりません。

その為生じている問題が利回りの低下です。
これが意味することは思いの外大きなことです。
なぜなら、物件を購入して2~3年程度のオーナー様やこれから物件を購入しようとしている方々は、不動産物件の価格と物価のバランスが崩れてしまっている状態で不動産を購入している、もしくは購入してしまうことになるのです。
もちろん全ての物件がそういうわけではありませんし、目的が税金対策であったり、何か理由があっての購入で、理解していれば問題ないです。
ですが、私が知る限りトータル的に理解して購入というよりも、営業マンに勧められるがままに購入しているという印象を強く受けています。
老後不安や不労所得の確保という理由で簡単に購入してしまう方が増えているのではないでしょうか。

現在のようにたくさんの不動産売買が成立するというのは、お金が流動して日本経済と不動産業者としては確かに良いことです。
しかし投資を行う側としては、割高で利回りの低い物件を購入するということは、それだけ利益回収に大幅な時間がかかり、また価値の下落幅も大きくなるという事を表します。
ですので、もう少し勉強をして「どういう目的で購入するのか、5年後、10年後、あるいは20年後にその目的に到達できそうな物件なのか」を可能な限り明確にしてから判断したほうが良いでしょう。