入居者さんがお部屋を退去した後、次の入居さんを迎え入れるためにお部屋をキレイな状態に戻す工事を
原状回復工事と言います。
この原状回復工事の費用は、住んでいた入居者が支払うのか、それともオーナーが支払うのか。
お互い可能なら余分な出費をしたくないと考えるのが普通でしょう。
ですからどちらがどれだけ費用を出すのかという問題は今なお置き続けています。
裁判にまで発展するケースも珍しくはないでしょう。

もちろん誰しもトラブルは好きではないので
そうならない為に管理会社に依頼をして間を取り持ってもらったり
入居者側かオーナー側が妥協をして、しぶしぶ工事の費用を多く支払う場合も多いはずです。

しかしどちらかが妥協して、もやもやした状態で終わるのではなく
できることなら双方が納得の上、できるだけ気持ちよく終わりたいところです。
その為には双方が事前に契約内容をしっかり把握した上で
原状回復工事の費用負担割合のだいたいの基準を知っておくことが大切であると思います。

その基準は国土交通省がガイドラインとして発表していますので
インターネットを利用すれば簡単に知ることができます。
ただその記載内容は100ページ以上にもわたりますので、もう少し噛み砕いた内容をネット上で探すことを
お勧めします。
「原状回復工事の負担割合」などと調べると色々とわかりやすい情報がでてくると思います。

ただここで注意したいのは、あくまでも基準を示すためのガイドラインであって
法律ではありません。ですので完全なる法的拘束力があるかと言えば、そうではありません。
大抵の場合はガイドラインが有効と言えますが、中にはそうではないケースも稀にある
ということだけ頭に入れておく必要があります。

とはいえやはりガイドラインは大切な基準で、裁判などになったときは
このガイドラインが示す基準を参考にするはずです。

クロス(壁紙)の耐用年数をご存知でしょうか?
答えは6年です。
このクロス張替えは原状回復においてメインとなる工事の1つです。
耐用年数が6年ということは、入居者が6年以上住んでくれた場合
基本的にはその張替え費用はオーナー側が負担することになります。
逆に入居期間が1年と短い場合に張替えが必要になった場合は
残りの耐用年数に応じた費用負担を入居者側に求めることができると言えます。

このような情報を、入居者とオーナーの間に入って仲介をしてくれる立会人が分かっていない場合もあります。
ですので入居者側もオーナー側も、自身である程度知っておくことで、未然にトラブルを防ぎ
ある程度納得のいく原状回復工事ができるのではないでしょうか。